口腔ケアのヒント
①歯磨きの方法
皆さん、毎日なんとなく歯を磨いていませんか。
皆さんが日常的に行っている歯磨きは虫歯予防にはもちろん健康のためにもとっても大切です。
歯磨きは一日朝と夜の最低2回、特に寝ている間は唾の量が減り、虫歯ができやすい環境になるため、夜寝る前の歯磨きがとても大切です。
虫歯予防や歯の強化にはフッ素入りの歯磨き粉を選ぶのがおすすめです。
また定期的に歯科医を受診し、専門家による歯のクリーニングや検診を受けることも大切です。
歯ブラシのサイズや形が自分の口に合ったものを選ぶと、より効果的な歯磨きができます。
この機会に歯医者を受診して、歯科医師や歯科衛生士に相談してみるのもおすすめです。
②フロス、歯間ブラシ
皆さん毎日歯を磨くと思いますが、実は歯ブラシのみでは8割の汚れしか落とせていません。そこで、補助的清掃用具でしっかりケアすることが必要です。
使い分けることで効果的に歯垢を除去し、口腔内の衛生を保つことができます。正しい使い方をマスターして、定期的に使用することが大切です。
- ①フロス(歯間糸)
特徴:細い糸で、歯と歯の間に差し込んで汚れを取り除くために使用します。
使い方:適切な長さに切って、歯と歯茎の隙間に挿入し、上下に動かして歯垢や食べ カスを取り除きます。
効果:歯と歯の間の汚れをしっかりと除去し、歯周病や虫歯の予防に役立ちます。 - ②歯間ブラシ
特徴:細長いブラシで、歯と歯の間や歯と歯茎の隙間に差し込んで使用します。
使い方:ブラシを歯と歯の間に挿入し、軽く沿わせ押し当てながら往復させて歯垢を取り除きます。
効果:歯ブラシでは届きにくい狭い隙間、歯のスペースが大きい方や歯と歯茎の境界部分をきれいにすることができます。
どちらも歯間の清掃に有効ですが、個人の歯並びや口腔内の状態によって使い分けることがおすすめです。
歯科医師や歯科衛生士に相談し、適切な使い方や選び方を聞いてみましょう。
③フッ素について
フッ素は、歯の強化や虫歯予防に重要な成分です。現在市場に出ている歯磨き粉のうち95%以上はフッ素が含まれています。
歯磨き粉以外でフッ素を効果的に利用する方法には、以下のようなものがあります。
- ①フッ素洗口剤:口をゆすぐことで、歯の表面にフッ素を残すことができます。
- ②フッ素ジェル:歯科医院で行うフッ素塗布やジェルの処置を行っています。
歯科医師や歯科衛生士の指示に従い、定期的に受けるようにしましょう。
フッ素補給の注意点:フッ素は適量でなければ効果がないだけでなく、過剰摂取は健康に害を及ぼす可能性があるため、指示された量を守って利用することが重要です。
これらの方法を組み合わせて、適切にフッ素を使用することで、虫歯の予防効果が期待できます。
④砂糖と歯の関係
砂糖は甘い食べ物だけでなく、多くの食べ物に含まれています。お口の中にさまざまな影響を及ぼします。
- ①虫歯の原因:口腔内の細菌が砂糖を分解する過程で酸を生成し、歯のエナメル質を溶かすことで虫歯を引き起こします。
- ②酸性環境の促進:砂糖を含む食品を頻繁に摂取することでお口の中が酸性に傾き、歯を脆くすることがあります。
- ③口臭の発生:口腔内の細菌が砂糖を分解することで生じる酸や代謝物質が口臭の原因となります。
- ④歯周病のリスク:砂糖が口腔内の細菌の増殖を促進し、歯周病の原因となる可能性があります。
アイスクリーム、お菓子、ジュースなどの甘い食べ物だけでなく、ケチャップやスポーツ飲料、豆乳など加工食品の多くにも砂糖は使われています。
お口の健康を守るためにも食生活の改善や飲食の回数を3食までにするなど改善してみませんか。
⑤ステイン
最近、自分のお口を見て黄ばみなど気になりませんか?
恐らく黄ばみの原因はステイン(茶渋)かもしれません。
ステインとは、物質が表面に付着して色をつける現象やその結果として生じる色素沈着のことを指します。歯の表面に付着した色素や汚れのことを指すことが一般的です。
歯の表面には、食べ物や飲み物、タバコなどが原因となって色素が付着しやすく、これが歯の着色や変色の原因となることがあります。これらの色素は、歯の表面に付着するだけでなく、歯の表面に浸透して内部にまで影響を及ぼすこともあります。
ステインは歯科医院でのクリーニングやホワイトニングなどで除去きます。また、日常の歯磨き等注意することで、ステインの発生を予防することができます。
しかし、磨きすぎ等で歯の表面が傷ついてしまうとよりステインが付着するので注意しましょう。
ステインの原因は以下のことがあげられます
飲食物や飲料: コーヒーや紅茶、ワイン、カレー、ソース
- タバコ: タバコに含まれるニコチンやタールなどの成分が歯に付着し、黄ばみや茶色のステインを引き起こします。
- 歯垢: 歯垢は食べカスや細菌が歯に付着して形成される薄い膜で、時間の経過とともに色素を吸着しやすくなります。
- 薬品: 一部の医薬品(特に鉄剤や抗生物質)は、歯の着色を引き起こすことがあります。
- 年齢: 年齢とともに歯のエナメル質が薄くなり、内部の象牙質が透けて見えることで、歯が黄ばんだり色が変わったりすることがあります。
- 遺伝: 歯の色や質感は遺伝的要因によって異なり、一部の人は他の人よりもステインが付きやすい傾向があります。
ステインの原因を理解して改善されるとステイン付着の予防になります。
ご自身の生活を改め、歯科医院で定期的なクリーニングで白くきれいな歯を目指しましょう。
⑥定期検査の重要性
歯科医院での定期検査=歯の健康診断!
体の健康診断は一年に一度受けても、歯の健康診断は何年も受けていない、、、
そういった方が多いのではないでしょうか。
定期検診を受けることで虫歯や歯周病などの問題を早期に発見し、適切な治療を行うことができます。早期治療は症状の進行を防ぎ、歯の健康を保ち歯の寿命を伸ばします。
また、定期的な歯のクリーニングで歯垢や歯石を専用の器具で除去することで歯周病を予防し、口腔内の清潔を保つことができます。
また、口腔がんなどの口腔内の異常を早期に発見し、適切な治療を受けることができます。口腔がんは早期発見が重要であり、定期検査はそのための重要な手段となります。
⑦歯ブラシの種類、選び方、交換時期
普段歯ブラシを購入する際に自分に合った歯ブラシは何か悩まれたことはありませんか?
そこで歯ブラシの種類を知り、自分に合ったものを探してみましょう。
歯ブラシの種類
- 毛質: 歯ブラシの毛質には、ナイロン製のものと天然毛のものがあります。ナイロン製のものが一般的で硬さは「普通タイプ」を選びましょう
- 形状: 歯ブラシの形状には、普通のストレートタイプと、歯の形にフィットするカーブ型があります。自分の歯や歯茎に合った形状を選ぶと、より効果的な歯磨きができます。
歯ブラシの選び方
- 柄の長さ: 自分の手に合った長さの柄を選ぶと、歯磨きがしやすくなります。毛の硬さ: 歯周ポケットや歯間など磨くには普通の硬さが良いです。
柔らかい物だと、歯茎は傷つきませんがプラークなどの汚れが落ちないからです。
歯ブラシの交換時期
歯ブラシの毛先が広がったり、摩耗してきたりしたら、交換時期です。
通常は1ヶ月ごとが目安ですが、毛先の状態や歯磨きの頻度によっては早めに交換する必要があります。
歯ブラシは個人の口の状態や好みによって選ぶことが重要です。定期的な歯科医院での相談や定期検診を受けることで、適切な歯ブラシの選び方や使い方を学ぶことができます。
⑧口臭について
家族に口臭を指摘された、人と話すときに距離をとってしまう、歯科医院に来られる患者さんには口臭に悩む患者さんは多いです。
口臭の主な原因としては、 口腔内の細菌が食べカスや歯垢などを分解する際に生じる揮発性硫黄化合物が挙げられます。また、歯周病や口腔乾燥、食事、喫煙も原因の一つです。
予防方法としては、適切な口腔ケアや歯科医院での定期的な検診やクリーニングを受けることで、口臭の原因となる歯周病や歯石を予防できます。口腔乾燥を予防するために水分を摂取したり、臭いの強い食べ物を摂取した後は、洗口やうがいをするのもいいかもしれません。
喫煙はお口だけでなく、全身に影響を及ぼします。口臭を予防するには禁煙が必要です。
口臭は個人差がありますが、悩んでおられる方は一度歯科医院で相談してみてください。
⑨虫歯
よく、虫歯と聞いたことがあると思いますが虫歯の原因は何かご存知ですか?
虫歯は①歯質②細菌③食べ物の3つの要素に時間の経過が加わってできると言われています。
これら3つの要素が重なる時間が短かければ虫歯になる可能性が低く、長ければ虫歯がてできやすくなるのです。
- ①歯質
歯の強さや唾液の力によって虫歯になりやすいかどうかが左右されます。 - ②虫歯菌
主な虫歯菌はミュータンス菌です。
この菌はプラーク(歯垢)をつくり、また歯を溶かす酸をつくります。 - ③食べ物
糖質の中でも特に砂糖を含む食べ物や飲み物が虫歯の発生に影響を与えます。
虫歯の原因となる3要素の重なり合う時間や面積をできるだけ少なくすることで虫歯になるリスクを下げることができます。
虫歯は適切な予防措置を取ることで、ほとんど予防することができます。
定期的な歯科検診や口腔ケアを行い虫歯を予防することが大切です。
⑩歯周病
虫歯と違って、痛みがなく気づかないうちにどんどん進んでしまうのが歯周病、歯槽膿漏とも呼ばれます。
歯垢(プラーク)や歯石、喫煙、歯列不正、全身的な病気などが挙げられます。
予防方法としては、 歯磨きを丁寧に行い、歯間ブラシやフロスを使って歯と歯ぐきの間も清潔に保つこと。
また、定期的に歯科医院での検診やクリーニングを受けることで、歯周病の早期発見や治療を行うことができます。
禁煙や、 栄養バランスの良い食事を心掛け、砂糖や炭水化物を控えることで、歯周病のリスクを低減できます。
歯周病は予防可能な病気です。適切な口腔ケアや定期的な歯科検診を行い、リスクを最小限に抑えましょう。
⑪ワンタフト
お口の中で磨きにくかったり、歯ブラシが届かないと感じる場所があったりしませんか?そのような時に大活躍するのがワンタフトブラシです。普通の歯ブラシではヘッドが大きく入らないようなスペースに入り込んでくれたり、細かい部分の汚れを効果的に除去してくれます。
- 歯並びが悪いところ
- 歯ブラシが届かない奥歯の奥側の壁
- 矯正装置のまわり
- 背の低い親知らず、生えたばかりの大人の歯
- 生えかわりの時期に生えてくる途中の歯
こういった場所は歯ブラシで磨くよりもワンタフトブラシの方がキレイに、効率的に磨くことができます。
注意点としては、歯ぐきを傷つけないように毛が固すぎないものを選んだり、優しく磨くことが大切です。使用に伴い毛先が開いたりして性能が低下してくるので、1か月に1度は新しいものに交換するようにしましょう。
⑫口腔内環境を整えるための矯正
歯磨きが上手くできなかったり、よく虫歯になってしまう方は歯並びが原因であるかもしれません。歯並びをよくすることによって、物がよく噛めるようなったり、歯磨きがしやすくなることによって虫歯歯周病の予防につながったり、見た目もよくなり笑顔に自信を持てる等、いいことがたくさんあります。歯科矯正は歯並びや噛み合わせの問題をなくし、お口の健康と美しさを向上させる治療です。矯正の方法としては歯の表面に器具をつけてワイヤーを通すタイプのブラケット矯正や取り外し式の透明なマウスピース矯正などがあり、個々のお口の中の環境、ライフスタイルに合わせた方法を歯医者さんと相談して選ばれる方が多いです。
⑬WHについて
「歯が黄ばんできたような気がする」
「人前に出る仕事をしているので印象を明るくしたい」
「笑顔の印象を良くしたい」
「明るく若い印象にしたい」
「メイクが映える口元にしたい」
そんな方にはホワイトニングがおすすめです。
ホワイトニングとは歯自体の色を薬液を使って白くすることをいい、医院で施術するタイプと自宅でマウスピース作って行う2つの方法があります。
着色(茶渋・ステイン)が歯についている方は歯医者でのクリーニングでもキレイになりますが、元々着色などが付いていない方やステインを落とした後、更に明るくしたい方は、歯自体の色を白くするホワイトニングが効果的です。ホワイトニングをすることで周りの方からも「歯が白くてキレイだね!」と言われるくらい歯の白さも増し、よりお顔の印象も明るくなり、笑顔に自信を持つことができます。
この機会にお顔の印象を明るくされたい方は是非ホワイトニングをされてはどうでしょうか。
笑顔に自信が無い方、お口の中の環境をしっかり整えて行きたい方は矯正歯科も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。