こんにちは。神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科です。
MFT(口腔筋機能療法)とは、口や舌の筋肉を鍛えることによって、歯並びや噛み合わせ、発音などの問題を改善する治療法です。お口周りの癖を改善するトレーニングだといえます。MFT(口腔筋機能療法)のトレーニングでは、専門家の指導のもとで、口腔内の筋肉を動かすさまざまなエクササイズを行います。
しかし、MFT(口腔筋機能療法)という言葉を聞いても、具体的にイメージできない方も多いでしょう。
今回は、MFT(口腔筋機能療法)のトレーニングでは実際に何をどのように行うのか、その内容について詳しく解説します。舌の位置やお口周りの癖が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
目 次
正しい舌の位置とは?
舌にも正しい位置があるのをご存じでしょうか。普段あまり意識していないかもしれませんが、舌の位置は、以下のいずれかに該当していると考えられます。
・舌が上顎全体に触れている
・舌が上下の前歯の間にある
・舌が下の前歯の裏側に触れている
上記3つのうち、正しい舌の位置とされているのは「舌が上顎全体に触れている」状態です。
詳しくいうと、舌の先端が上の前歯の少し後ろ(前歯の付け根の部分)にあり、舌全体は上顎に触れています。このとき、舌の先端だけでなく、根元から上顎にくっついていることが大切です。
ご自身の舌の位置を知りたい場合は、唾液を飲み込んでみましょう。そのときどこに舌があったかで判断できます。
舌が正しい位置にないと
舌の正しい位置について説明しましたが、この位置にないとどのようなリスクが考えられるのでしょうか。舌が下がっている状態を「低位舌」といいますが、舌の筋力不足が主な原因とされています。
舌の位置は見た目の問題だけでなく、健康にも影響を及ぼすおそれがあると考えられています。舌が正しい位置にないことによって起こり得るリスクは、以下のとおりです。
・歯並びが悪くなる
・口呼吸になる
・発音や滑舌が悪くなる
・いびきの原因になる
・顔のゆがみやたるみの原因になる
それぞれ解説します。
歯並びが悪くなる
舌は通常、上顎の歯の裏側に密着しています。舌の位置が低かったり前方に突き出したりしている場合には、歯に圧力がかかって歯並びを悪化させる可能性があります。
特に、乳歯から永久歯に生え変わる時期や、矯正治療中などは舌の位置が重要です。舌の位置が正しくないと、前歯が開いたり、上下の歯が噛み合わなかったり、前歯が前方に突き出たりする原因となります。
歯並びの問題は、咀嚼や発音だけでなく、見た目にも影響することが考えられます。したがって、舌を正しい位置で保つことは、健康的で美しい歯並びを維持するために重要です。
口呼吸になる
舌が下がる低位舌では、口腔内の圧力が低下することで口が開きやすくなったり、気道が狭くなったりすることがあります。舌の位置が下がると口呼吸につながり、口の中の乾燥を引き起こします。
口内が乾燥すると、唾液の洗浄作用や抗菌作用が働きづらいため、細菌が繁殖しやすくなります。口臭や虫歯・歯周病の原因となるでしょう。
また、口呼吸は、免疫力の低下や睡眠障害といった健康問題を引き起こすおそれもあります。
発音や滑舌が悪くなる
舌が正しい位置にないと、発音や滑舌にも影響を及ぼす可能性があります。
人が話すときは、舌とお口周りの筋肉を使います。舌の位置が正しくないと、発音したい音とは違う音が出てしまったり、音が不明瞭になったりすることがあります。
特にサ行・タ行・ラ行が舌足らずな印象になることがあるでしょう。
舌の位置が正しくないと、舌が動きづらくなるほか、余分な力がかかることがあります。その結果、滑舌が悪くなるだけでなく疲労やストレスにもつながるでしょう。
いびきの原因になる
舌が正しい位置にないと、いびきの原因になる可能性があります。舌の正しい位置は、上顎の裏側に触れている状態です。
舌が上顎から離れて下がっている場合、舌が気道を部分的に塞ぐ可能性があります。特に、仰向けに寝るとき、筋肉が弛緩するときなどには、さらに舌が下がって気道が狭くなることがあるでしょう。
気道が狭まると、呼吸するときに空気の流れが乱れて振動が起き、いびきとなります。
顔のゆがみやたるみの原因になる
舌の位置は、顔の筋肉や骨格に影響を与えるといわれています。舌の付け根は、下顎骨につながっています。
つまり、舌が正しい位置にないと、下顎骨の位置がずれてしまう可能性もあるのです。また、舌が正しい位置にないと、口呼吸を引き起こします。口呼吸は顔の筋肉を衰えさせるともいわれており、口周りの筋肉が緩むことで顔全体が下がってきます。
MFT(口腔筋機能療法)とは?
MFT(口腔筋機能療法)とは、噛み合わせや発音、姿勢などの問題を改善することを目的としたトレーニングです。舌・唇・頬などお口周りの筋肉の動きをチェックし、正しい位置や動きになるようにバランスを整えていきます。
また、専用の器具やエクササイズを用いて、筋力や柔軟性を高めます。
MFT(口腔筋機能療法)を行うことによる主な効果は、以下のとおりです。
・歯並びや顎関節症の予防・治療
・コミュニケーション能力や自信の向上
・肩こりや腰痛などの体の不調の軽減
・睡眠障害やストレスなどの精神的な問題の改善
噛み合わせが改善されれば、歯並びの悪化や顎関節症の予防・治療に役立つでしょう。発音が改善されれば、コミュニケーション能力や自信の向上が期待されます。
また、姿勢が改善されると肩こりや腰痛などの体の不調の軽減につながり、呼吸が改善されると睡眠障害やストレスなどの精神的な問題にも効果を示すでしょう。
MFT(口腔筋機能療法)は、年齢や症状などに応じて個別にプログラムが作られます。一般的な歯科治療と併用することで、より効果を発揮するといわれています。
MFT(口腔筋機能療法)に興味がある方は、まずは歯科医師に相談してみましょう。
MFT(口腔筋機能療法)のトレーニング内容
MFT(口腔筋機能療法)のトレーニングは、口腔内の筋肉や骨格のバランスを整えることを目的としています。実際に行うトレーニングは、患者さま一人ひとりに合わせて歯科医師が選択します。
ここでは、代表的なMFTのトレーニング内容をご紹介します。
スポットポジション
スポットポジションは、舌の適切な位置を覚えるためのトレーニングです。スポットは、舌を正しい位置に置いたときに舌先が触れる場所のことです。
まず、スティックでスポットに触れてゆっくり5秒数えます。次に、スティックを離して、触れられていた場所に舌先をつけます。再びゆっくり5秒数えましょう。
これを何度か繰り返すことで、舌の正しい位置を覚えます。
ポッピング
ポッピングは、舌の筋肉を鍛えるトレーニングです。まず、舌全体を上顎に吸い付けて口を大きく開けます。次に、舌を上顎から離してポンっと音を鳴らします。
早く行う必要はないので、しっかりと音が鳴るように意識しましょう。10回程度繰り返します。
舌の筋力を高めるだけでなく、舌の動きをより精密にコントロールする能力を養います。
ティップ
ティップは、舌先の動きを鍛えるトレーニングです。アイスの棒などを口の前で垂直に持ち、舌を出して棒を押します。スティックも舌の方向に押して、お互いが押し合うように力をかけます。
押し合いを3秒ほど続けたら、口を閉じて休憩しましょう。この動作を5〜10回程度繰り返します。
ボタントレーニング
ボタントレーニングは、口周りの筋肉を鍛えるトレーニングです。ボタンの穴に紐を通し、歯と唇の間にボタンを挟みましょう。口から出した紐を引っ張って、口周りの筋肉を鍛えます。
30秒ほど引っ張りますが、唇の力を使ってボタンが外に飛び出ないようにしてください。
まとめ
今回は、MFT(口腔筋機能療法)のトレーニングについて解説しました。
MFT(口腔筋機能療法)は、お口周りの筋肉や骨格のバランスを整えることで、咀嚼・発音・姿勢などの機能を改善する治療です。口周りの筋肉のバランスが整えば、歯並びの悪化も防げるでしょう。
MFT(口腔筋機能療法)は歯科医院で受けられますが、自宅でも簡単に行えます。また、鼻呼吸の習慣をつける、姿勢を整える、仰向けに寝るなど、普段から意識するようにしましょう。MFT(口腔筋機能療法)は、お口周りの機能だけでなく、全身の健康にも影響を与える可能性があります。
MFTトレーニングを検討されている方は、神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。