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2024.06.06

虫歯が原因で顎が痛くなる!?痛みの原因と対処法を解説

こんにちは。神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科です。

顎が痛い人

虫歯が原因で顎が痛くなることがあるのをご存じでしょうか。虫歯が進行すると、痛みは歯だけでなく顎や顔の他の部分にも広がることがあります。では、顎が痛むときにはどのように対処すればよいのでしょうか。

この記事では、虫歯が顎の痛みを引き起こすメカニズムと、その具体的な対処法について詳しく解説します。

顎が痛くなる原因

顎が痛くて診察を受けてる人

顎が痛くなる原因には以下のようなものが考えられます。

顎関節症

顎関節症は、顎の関節と周囲の筋肉の問題によって引き起こされます。顎関節症になると、顎が痛い・口を開きにくい・口を開けると音が鳴るなどといった症状が現れます。

特に痛みが出やすいのが、頬骨と顎のエラの間に位置する咬筋と、噛む際によく使う側頭筋です。側頭筋はこめかみから耳の上あたりにかけて存在するため、こめかみの近くなど、顎以外の部分にも痛みが現れることがあります。

顎関節症による痛みは、日常生活に支障をきたすことがあるため、早めの対策が重要です。

非歯原性歯痛

非歯原性歯痛とは、歯や歯周組織に異常がないにもかかわらず、歯に痛みを感じる状態を指します。非歯原性歯痛の中でも筋・筋膜性歯痛がよく見られます。

筋・筋膜性歯痛は、側頭筋や咬筋などの咀嚼筋や首の筋肉、これらの筋肉を覆う筋膜の痛みが原因で起こる関連痛です。関連痛とは、痛みの原因から離れた場所に痛みが感じられる現象です。

咀嚼筋のトリガーポイント(圧迫すると痛みを感じる圧痛点)を5秒間圧迫して歯に痛みを感じる場合は、筋・筋膜性歯痛の可能性があります。

筋・筋膜性歯痛の多くは、ストレスや歯を食いしばるなど、筋肉の緊張状態が原因で起こります。これにより、顎やその周辺が痛むことがあるのです。

改善するためには、ストレスや緊張状態を引き起こす日常生活の悪い習慣を自覚することが重要です。例えば、歯ぎしりや食いしばりなど、顎や筋肉に負担がかかる癖を意識して改善することが、症状の軽減につながります。顎の痛みが続く場合は、専門医に相談しましょう。

虫歯

虫歯はプラークに含まれる虫歯菌が酸を出し、歯を溶かすことで発生します。特に虫歯になりやすい箇所は、歯と歯の間や歯の根元、そして詰め物と歯の隙間です。これらの部位にはプラークがたまりやすく、丁寧に磨いても完全に除去することは難しいです。

痛みを感じて歯科医院を受診したときには、虫歯が神経にまで達していることも少なくありません。定期検診を年に1〜2回受けて、虫歯を早期に発見することが重要です。

虫歯で顎が痛くなるのはなぜ?

歯茎の炎症

虫歯で顎が痛くなるのは歯根や顎骨が炎症を起こしているためです。

以下に詳しい理由について解説します。

歯根が炎症を起こしている

歯髄は歯根の先端まで血管でつながっており、虫歯が進行して歯髄まで達すると、炎症を引き起こすことがあります。

人間の身体は、体内に侵入した細菌と戦った白血球の死骸である膿を袋に閉じ込めようとする防衛本能があります。この膿が溜まった袋状のものを嚢胞(のうほう)と呼びます。虫歯が進行すると、歯槽骨や歯茎に歯根嚢胞が形成されることがあるのです。

歯根嚢胞は初期段階では自覚症状がないことが多いですが、嚢胞が大きくなると周囲の骨組織を圧迫し始め、腫れや顎の痛みを引き起こすことがあります。

顎骨が炎症を起こしている

顎が痛くなる原因の一つに虫歯が進行して引き起こされる顎骨骨髄炎があります。歯根は顎の骨に埋まっており、虫歯が進行して細菌が歯根に到達すると、顎の骨にも細菌が感染して炎症を起こすことがあるのです。これを顎骨骨髄炎(がっこつこつずいえん)といいます。

顎骨骨髄炎は、初期段階では自覚症状がないことが多く、ある日突然顎の痛みを感じた場合は、顎骨骨髄炎が原因である可能性が高いです。

歯根嚢胞は、嚢胞が徐々に成長するため初期段階では痛みを感じないケースが多いですが、顎骨骨髄炎は、細菌が骨髄に侵入することで前触れもなく突然痛くなるのが特徴です。歯の周辺の痛みや腫れに加えて発熱や倦怠感、食欲不振を引き起こすこともあるでしょう。

虫歯以外で顎の痛みを引き起こすトラブル

歯周病になった人

虫歯以外で顎の痛みを引き起こすトラブルには、以下のようなものが挙げられます。

歯周病

歯周病は、歯垢の中の細菌が繁殖し、歯を支える歯茎が炎症を起こす病気です。自覚症状が出にくく、知らず知らずのうちに進行していることが多いです。症状を放置すると、炎症が顎にまで広がり、顎の痛みを引き起こすことがあります。

歯周病を防ぐためには、日々のブラッシングに加え、定期的に歯科検診を受けることが重要です。専用器具を用いたクリーニングで、歯石などをきれいに除去してもらうことで、歯周病を予防できるでしょう。

親知らず

親知らずは、歯列の最も奥に最後に生える歯です。顎が小さいとスペースが不足し、斜めに生えたり半分だけ埋まっていたりします。そのため、磨き残しが生じやすくなり、智歯周囲炎という炎症が起こることがあります。

進行すると、最終的に顎骨に炎症が広がり、顎が腫れたり痛んだりすることがあります。親知らずは他の歯よりも虫歯になるリスクが高いため、抜歯が必要になることも少なくありません。

口腔顔面痛

口腔顔面痛は、歯や歯肉、頭部、顎に慢性的な痛みを感じる状態で、原因は多岐にわたります。身体的な要因だけでなく、心理的葛藤やストレスなど心理的な要因も関係することがあります。原因によって治療法が異なるため、気になる方は一度医療機関を受診しましょう。

顎が痛むときの注意点

仰向けで寝てる人

顎が痛むときには、以下の点に注意しましょう。

顎に負担をかけない

顎が痛むときは、顎に負担をかけないようにすることが非常に重要です。例えば、あくびをするときに口を大きく開けると顎に負担がかかり、さらに痛みが増す可能性があります。意識して口を少し開ける程度にすることで、負担を軽減できるでしょう。

また、ガムをよく噛む習慣があると顎に負担をかけるため注意が必要です。

片方のみで噛むのを避ける

顎が痛くなると、無意識のうちに片方だけで噛むこともあるでしょう。片方だけで食べ物を噛む癖があると、よく噛む方の顎関節が疲弊して負担がかかります。

特に痛みを感じているときは、意識して両側の歯で噛むようにしましょう。顎への負担を分散させ、痛みを軽減できます。

硬い食べ物は避ける

顎が痛むときは硬い食べ物や歯ごたえのある食べ物は避け、顎に負担がかからないよう、やわらかい食べ物を選びましょう。具体的には、野菜やお肉をやわらかく煮込んだスープ、うどん・蕎麦などの麺類、おかゆ、豆腐料理などです。

しかし、やわらかいものばかり食べていると顎周りの筋肉が衰えることにもつながります。早めに歯科医院を受診して適切な治療を受けることが重要です。

うつ伏せで寝るのを避ける

顎が痛むときは、仰向けで寝ることを意識しましょう。うつ伏せで寝ると、頭部全体の重みが顎にかかりやすくなります。成人の頭部の重さは平均で約4〜6kgあり、寝ている間に長時間顎に重さがかかると、それだけ負担になります。

顎への負担を軽減するために、できるだけ仰向けで寝ることを心がけましょう。

食いしばらないよう意識する

歯を食いしばる行為は、歯だけでなく顎関節にも大きな負担がかかります。顎に痛みを感じている場合は、症状が治まるまで歯を食いしばるような激しいスポーツは避けたほうが良いでしょう。

例えば、アメリカンフットボールやラグビー、ボクシングといった格闘技が代表的です。他にも、テニスや野球、ゴルフなど、瞬間的に歯を食いしばる傾向があるスポーツも注意が必要です。

顎が痛くなった場合の対応

歯医者の内観

顎が痛くなった場合は、冷やすなどの応急処置をとったあと、早めに歯科医院を受診しましょう。

具体的な対応について、以下に解説します。

痛みがある部分を冷やす

顎が痛むときは、患部を冷やしましょう。患部を冷やすことで痛みが和らぐことがあります。一度に冷やす時間は10分を限度としてください。こうした対応で痛みが落ち着いても、応急処置に過ぎません。再発防止や症状改善のためにも、歯科医院を受診してください。

鎮痛剤を服用する

顎の痛みがひどく我慢できない場合、鎮痛薬を服用することで症状を抑えられる可能性があります。

ただし、薬で痛みを抑えられたからといって顎を酷使することは、症状の悪化につながります。安静を意識し、できるだけ顎への負担を減らすように心がけましょう。

歯科医院を受診する

顎の痛みが続く場合は、歯科医院を受診しましょう。顎に痛みがあるということは、虫歯が神経にまで達している可能性があるためです。放置すると、進行して抜歯が必要になるケースもあるでしょう。

大切な歯を残すためにも、顎に痛みを感じるときは歯科医院を受診して適切な治療を受けてください。

まとめ

健康な歯のイメージ

今回は、顎の痛みの原因と対処法について解説しました。

顎が痛くなる原因は様々で、顎関節症や非歯原性歯痛などが挙げられます。

虫歯が進行している場合も、顎に痛みが生じることがあるでしょう。虫歯というと歯が痛くなるイメージですが、歯根や顎骨まで炎症が広がっている場合は、虫歯でも顎に痛みを感じることがあるのです。

顎の痛みがひどい場合は、応急処置として患部を冷やしたり鎮痛薬を服用したりするとよいでしょう。

ただし、根本的な解決にはならないので、早めに歯科医院を受診して治療を受けることが大切です。

虫歯にお悩みの方は、神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。

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