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2024.01.06

親知らずが虫歯になったら抜くべき?虫歯になりやすい理由とは?

こんにちは。神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科です。

親知らずが痛い女性

「親知らずはできるだけ早く抜いたほうがいい」といわれたことがある方もいるのではないでしょうか。親知らずは虫歯や歯周病になりやすいです。また、顎が成長すると抜くのが難しくなるなどの理由から、早めに抜いたほうがよいとされています。

「親知らずが虫歯になったら抜くべき?」「親知らずを抜かずに虫歯を治す方法は?」など、親知らずが虫歯になったときの治療法が気になっている方もいるでしょう。

今回は、親知らずが虫歯になりやすい理由や親知らずの虫歯を放置するリスクについて解説します。虫歯になった親知らずを抜かずに治療する方法についても解説しますので、親知らずの虫歯が気になっている方や虫歯を予防したい方は、ぜひ参考にしてください。

親知らずとは?

親知らず

親知らずとは、歯の最も奥に生える永久歯のことです。「智歯(ちし)」や「第三大臼歯」とも呼ばれます。永久歯は12歳頃にほぼ生えそろいますが、親知らずは15歳頃から生えてくるのが特徴です。先天的に生えない方や、斜めになって完全には生えてこない方もいます。

親知らずが生えるときに歯肉に炎症が起きて腫れることがあり、生えたあとも虫歯になりやすいです。また、生えるときに隣の歯を圧迫して押し出すため、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすこともあります。

親知らずが虫歯になりやすい理由

親知らずが虫歯の男性

親知らずは最も虫歯になりやすい歯といえるでしょう。最も奥に位置しているため、歯ブラシが行き届かず、歯垢(プラーク)や歯石が蓄積しやすいためです。

また、斜めに生えて隣の歯と重なることや、一部が歯茎に埋没した状態になることも多く、汚れをしっかりと除去できず虫歯のリスクが高まります。

親知らずは、虫歯になっても痛みが出るまで気づかないことも多いです。気づいたときには虫歯が進行している可能性もあるでしょう。

親知らずの虫歯を放置すると

親知らずが痛い女性

親知らずの虫歯を放置すると、以下のようなリスクがあります。

・激しい痛みが出る
・口臭の原因になる
・歯髄が壊死する
・智歯周囲炎を起こす
・ほかの病気にかかるリスクがある

それぞれ詳しく解説します。

激しい痛みが出る

親知らずの虫歯が進行して神経まで到達すると、強い痛みが出るようになります。虫歯は初期では痛みがないことも多く、お口の最も奥にある親知らずは虫歯ができても気づきにくいです。

虫歯に気づいたときにはすでに重症化して、虫歯が神経や歯根(歯の根っこ)にまで到達していることも少なくありません。

口臭の原因になる

虫歯が重症化して神経が腐敗すると、虫歯特有の腐敗臭が生じます。さらに虫歯が進行して歯根の先に膿が溜まると、非常に強い臭気を放つようになるでしょう。

歯髄が壊死する

虫歯が重症化すると、歯髄(歯の神経)が壊死する可能性があります。神経を失うと栄養が行き渡らなくなるため、歯は脆くなり黒っぽく変色するでしょう。

神経は壊死すると回復することはありません。神経が壊死すると強い痛みは治まりますが、細菌はそのまま停滞して病状はさらに進行するため注意しなければなりません。

智歯周囲炎を起こす

智歯周囲炎とは、親知らず(智歯)の周囲組織が炎症を起こすことです。親知らずが完全に生えず歯の一部が歯茎に埋没した状態になっていると、歯肉と歯の間に深い歯周ポケットが形成されます。歯周ポケット内で細菌が増殖し、炎症を引き起こした状態が智歯周囲炎です。

智歯周囲炎になると痛みや歯茎・頬の腫れ、開口障害などの症状が現れます。智歯周囲炎を放置すると炎症が広範囲に広がる「頬部蜂窩織炎(きょうぶほうかしきえん)」に進行するケースもあるのです。

頬部蜂窩織炎になると頸部に膿が溜まり、発熱することや全身に強い倦怠感が現れることがあります。水を飲めなくなることもあるでしょう。

ほかの病気にかかるリスクがある

親知らずの虫歯を放置すると、ほかの病気にかかるリスクが高まります。虫歯菌が血管や上顎洞、顎の骨などに侵入するためです。

例えば、副鼻腔炎は上顎の親知らずの虫歯が進行し、上顎洞にまで細菌が到達して炎症を起こした状態です。また、細菌が歯根から顎の骨に到達すると、骨髄炎を引き起こします。

さらに、細菌が血管内に侵入して脳梗塞や心筋梗塞、認知症の原因になるなど、さまざまな病気を発症するリスクが高まるのです。

親知らずが虫歯になったら抜くべき?

親知らずを抜くイメージ

親知らずが虫歯になったら抜くのが一般的です。親知らずは虫歯になりやすいため、詰め物や被せ物で治療を行っても虫歯が再発する可能性があります。

斜めに生えている場合は隣の歯を圧迫してダメージを与え、歯が重なるために隣の歯も虫歯になるリスクが高まるでしょう。

親知らずを抜歯しても、咀嚼や噛み合わせへの影響はほとんどありません。将来的なリスクを考慮すると、親知らずが虫歯になったら抜いたほうがよいでしょう。

親知らずを抜かずに虫歯を治療する方法はある?

親知らずの虫歯の治療

上述のとおり、親知らずが虫歯になったら抜くのが一般的です。

ただし、以下のようなケースでは親知らずを抜かないで治療することもあるでしょう。

・親知らずが正常に生えているケース
・親知らずを歯の移植治療に使用するケース

それぞれ詳しく解説します。

親知らずが正常に生えているケース

上下の親知らずがまっすぐに生えて噛み合わせに問題がないケースでは、抜歯をせずに虫歯治療を行うことがあります。通常の歯の治療と同じように虫歯を削り、詰め物か被せ物で削った部分を補うのです。

ただし、親知らずの虫歯を治療しても再発する可能性があります。虫歯治療後は予防のためにブラッシングやセルフケアの指導を受けるとよいでしょう。

親知らずを歯の移植治療に使用するケース

移植と聞くと臓器移植をイメージされる方が多いと思いますが、歯科治療でも抜歯した部分をほかの歯で補う「歯牙移植(しがいしょく)」という方法があります。

移植に使用する歯のことを「ドナー歯」と呼びますが、このドナー歯に親知らずを使用する場合は抜歯をせずに治療します。

ただし、移植治療に使用できるのは、できるだけ健康で不要な歯です。虫歯が進行して脆くなった親知らずは、移植治療に使用できません。

親知らずの虫歯を予防する方法

虫歯ケアの歯磨き

親知らずが虫歯になったら基本的には抜かなければなりません。そのため、虫歯予防が非常に重要なのです。親知らずは虫歯だけでなく、歯周病や智歯周囲炎などのトラブルが起こりやすい歯なので、毎日の口腔ケアを丁寧に行う必要があります。

親知らずの虫歯を予防するためにはどうしたらよいのでしょうか。

親知らずの虫歯を予防する方法は、以下のとおりです。

・口腔ケアを徹底する
・歯科医院の定期検診を受ける

それぞれ詳しく解説します。

口腔ケアを徹底する

親知らずは、最も奥にあり歯磨きが難しいため、周囲に汚れが溜まりやすいです。歯ブラシだけでなく、お口の奥まで毛先が届きやすいワンタフトブラシを使用すると効果的に汚れを除去できます。

虫歯を予防するために、以下のポイントを意識して口腔ケアを行いましょう。

歯ブラシで口腔ケアを行う際のポイント

口を大きく開けると頬が引っ張られて奥まで歯ブラシが入りにくいです。そのため、小さめに口を開けて斜め横から歯ブラシを入れましょう。

歯ブラシを斜め横から入れたら、毛先をしっかりと親知らずに当て、小刻みに動かして磨きます。汚れが溜まりやすい歯と歯の間や歯と歯肉の境目、歯の溝を意識して磨くようにしましょう。

タフトブラシで口腔ケアを行う際のポイント

タフトブラシは「ペングリップ」(鉛筆の持ち方)で持ちましょう。親知らずに毛先を当て、歯肉を傷つけないように軽い力で小刻みに動かして磨きます。歯ブラシの毛先が届きにくい親知らずの奥や歯と歯の間、歯と歯肉の境目を意識して磨くようにしましょう。

歯科医院の定期検診を受ける

お口の健康を維持するために、歯科医院で定期検診を受けましょう。

丁寧に歯磨きをしていても、歯垢や歯石を落としきるのは困難です。歯垢は23日で石灰化し、さらに放っておくと歯石に変化します。定期的に歯科医院で歯のクリーニングを受けて、自宅では落とせない汚れを除去しましょう。

歯科医院の定期検診ではブラッシング指導も受けられます。歯並びや噛み合わせの状態に合った正しいブラッシング方法を身につけることで、自宅でも効果的にセルフケアが行えるのです。

また、定期的にお口の状態をチェックしてもらうことで、虫歯を初期の段階で発見でき、重症化を予防できるでしょう。

まとめ

虫歯ケアのアイテム

親知らずは、最も奥に生えるため歯磨きがしづらく、虫歯になりやすいです。虫歯を治療せずに放置すると激しい痛みを感じるようになり、細菌が歯髄にまで到達すると神経が壊死する可能性があります。

また、細菌が血管内に侵入すると、脳梗塞や心筋梗塞などの命にかかわる病気を発症する可能性もあるのです。親知らずの虫歯は再発しやすいため、将来的なリスクを考慮して抜くケースが多いでしょう。

ただし、親知らずがまっすぐ生えていて噛み合わせに問題がない場合や、虫歯が軽度で親知らずを移植治療に使用する場合は、抜かずに治療することもあります。

虫歯は放置するとお口と全身の健康にさまざまな悪影響を及ぼすため、予防が非常に重要です。丁寧なケアを心がけ、歯科医院で定期検診を受けて虫歯になりにくい口腔環境を維持しましょう。

虫歯にお悩みの方は、神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。

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