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2023.11.29

小児矯正の1期治療・2期治療とは?治療の目的や使用する装置を解説

こんにちは。神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科です。

歯磨きする子供

小児矯正は、1期治療と2期治療の2段階にわけて行われます。なかには「どちらか一方の治療だけではいけないの?」と疑問に思う方がいるかもしれません。

しかし、1期治療と2期治療は、それぞれ目的などが異なります。

今回は、小児矯正の1期治療と2期治療について詳しく解説します。目的や使用する装置、開始時期、治療期間などをご説明するので、小児矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。

小児矯正の1期治療とは?

小児矯正の1期治療イメージ

小児矯正とは、こどもの歯の矯正治療のことです。小児矯正は、顎の骨の形やバランスを整える1期治療と、歯並びを整える2期治療にわけられます。

ここでは、小児矯正の1期治療の目的や開始時期、治療期間について詳しく解説します。

1期治療の目的

小児矯正の第一段階である1期治療は、成長期のこどもたちの歯列を広げ、永久歯が生えるためのスペースを確保すること、および上下の顎の骨を整えることが目的です。こどもの成長期を利用することで、大人になってから行うよりもリスクを抑えて歯列の拡大を行えます。

歯並びの問題は、歯の生え方に起因するものだけではなく、骨格の問題や指しゃぶりなどの習慣が影響している場合も多いです。1期治療で顎のバランスを整えて、歯並びや噛み合わせを整えるのです。

1期治療できちんと土台を作ることで、将来的に歯並びや噛み合わせに問題が生じることを防げます。

1期治療の開始時期

1期治療は、6歳頃から始めるのが一般的です。乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に始めますが、6〜12歳頃までの年齢に相当します。

しかし、歯の生え方には個人差があります。すべてのこどもが6歳で治療を開始するわけではありません。

早い時期に治療を始めることが必ずしもよいとは限らず、こどもの歯や顎の成長の状況が重要な判断基準となります。様子を見ながら、治療開始の最適なタイミングを見極めることもあるでしょう。

1期治療の必要性や適切な開始時期は、保護者の希望だけで決めることはできません。こどもの口腔の状態を専門的に評価できる歯科医師に相談し、専門家の意見に基づいて治療の必要性やタイミングを判断することが重要です。

1期治療の期間

1期治療は、2期治療で本格的に矯正治療をするための準備期間ともいえます。期間は状況によって異なりますが、一般的には24年ほどかかるとされています。通院のペースは、12か月に1回ほどです。

小児矯正の2期治療とは?

小児矯正の2期治療イメージ

小児矯正の2期治療は、永久歯が生え揃ったあとに行われます。2期治療で行う矯正治療は、成人の矯正治療とほとんど同じです。

ここでは、2期治療の目的と開始時期、治療期間についてご説明します。

2期治療の目的

2期治療の主な目的は、永久歯の歯並びを改善することです。一般的に成人の矯正治療と同様の方法が用いられ、マウスピース矯正やワイヤー矯正が行われるでしょう。

2期治療は、1期治療で完全には解決されなかった問題に対処する場合、もしくは1期治療を受ける適切な時期を逃した場合に行われます。そのため、1期治療を終えて2期治療へと移行するケース、1期治療を経ずに2期治療から開始するケースなど、患者さまによって異なります。

2期治療の開始時期

2期治療は、永久歯が生え揃った永久歯列期に行われます。第2大臼歯(12歳臼歯)が生える時期、おおよそ12〜14歳頃に始められるでしょう。

しかし、1期治療の終了から2期治療の開始までに、ある程度の期間を設けることもあります。治療のタイミングは、患者さまの口腔内の状態や永久歯の生え方によって異なるため、数年の期間をあけることもあるでしょう。

2期治療の期間

2期治療の期間は、通常1〜3年程度ですが、患者さまの歯並びの状態や治療の経過によって前後することがあります。1期治療で永久歯が生えるための適切な土台が整っていれば、2期治療の期間が短縮される可能性があるでしょう。

一般的には、2期治療の通院ペースは月に1回程度が目安とされています。

1期治療で使用する装置

マウスピース

1期治療は、顎の骨を拡大することを中心に行います。床矯正やリンガルアーチ、マウスピースなどを使って治療するのが一般的です。ワイヤーを用いた歯の移動は行いません。

それぞれどのような装置なのか解説します。

床矯正

床矯正は、プラスチック製のプレートでできた取り外し可能な装置を使用する治療です。歯列を拡大するための装置で、中央部分にネジがついています。

ネジを回して装置を段階的に広げながら、顎の骨に少しずつ負荷をかけます。徐々に歯列の幅を広げることで、スペースを確保することが可能です。

リンガルアーチ

リンガルアーチは、対象となる歯を傾斜移動させる装置です。舌側弧線装置ともよばれ、顎の骨の成長を促す目的で使われます。

大臼歯にバンドを引っかけてセメントで固定するため、取り外しはできません。

マウスピース

こどものマウスピース矯正では、プレオルソやインビザライン・ファーストが使われます。プレオルソはポリウレタン製の柔らかいマウスピース型矯正装置で、歯列や顎の骨を広げるほか、口腔機能の改善も期待できます。

インビザライン・ファーストは混合歯列期のこども向けに開発された装置です。透明で目立ちにくいことが特徴でしょう。顎の幅を広げながら、1本単位で歯の位置を調整することが可能です。

2期治療で使用する装置

ワイヤー矯正

2期治療では、ワイヤー矯正またはマウスピース矯正で治療します。永久歯に生え変わってから行う治療で、成人とほとんど同じ方法で治療を行います。

それぞれの装置について確認しましょう。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、特殊な接着剤を用いて歯の表面にブラケットを固定し、ワイヤーを通して歯を動かす治療方法です。一般的に行われる治療方法で、大きく乱れた歯並びにも対応できることが特徴でしょう。

マウスピース矯正と比較して、一般的に費用を抑えることが可能ですが、ブラケットやワイヤーが目立つというデメリットがあります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使用して歯を移動させる治療方法です。マウスピースを120時間以上装着し、定期的に交換して歯を移動させます。

矯正装置が目立たないことが大きなメリットですが、ワイヤー矯正と比較すると適応症例が限られていることがデメリットでしょう。

1期治療だけで歯並びが整うことはある?

1期治療だけで歯並びが整うケースもあります。1期治療で骨格的な問題が適切に改善された場合、治療を終了することも可能です。

しかし、1期治療は顎の骨の成長を促し、良好な歯並びを得るための土台を作ることが主な目的です。歯をきれいに並べることは目的としていないため、2期治療と組み合わせるのが一般的でしょう。

1期治療のみで終了した場合、後戻りが起こるリスクがあります。また、1期治療で見た目上の歯並びが改善されたとしても、永久歯が完全に生え揃ったあとに理想的な歯並びを維持できるとは限りません。

リスクを考慮したうえで、治療を継続するかどうかを検討することが重要です。

小児矯正は保険適用の対象になる?

医療保険イメージ

小児矯正は、基本的に保険適用の対象にはなりません。健康保険は病気やケガなどの治療が対象であるため、見た目や噛み合わせの改善が目的の矯正には適用されないのです。

ただし、小児矯正でも、以下のケースでは保険が適用されます。

・「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
・前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
・顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療

なお、上記の条件を満たした場合でも、保険適用で治療を受けられる医療機関は限られています。厚生労働大臣が定める施設基準を満たしているとして、地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関で治療を受ける場合のみ、保険が適用されるのです。

歯科分野の専門知識がない方が判断するのは難しいので、歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。

引用元:日本矯正歯科学会|矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは

まとめ

笑顔の子供

顎の骨の形やバランスを整える1期治療は、乳歯と永久歯が混在する時期、おおよそ6歳頃から開始する治療です。2期治療は、すべての永久歯が生え揃った12歳以降に始めるのが一般的です。

1期治療だけで歯並びが整うケースもありますが、多くの場合、1期治療と2期治療はセットで行われます。1期治療で土台を作って2期治療で永久歯を整えることで、より効果的な矯正結果を得られるでしょう。

小児矯正の必要性や開始する適切なタイミングは、お子さまによって異なります。まずは歯科医院に相談しましょう。

小児矯正を検討されている方は、神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。

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