こんにちは。神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科です。

加齢や病気、事故などですべての歯を失った場合、そのままにしておくと食事や会話に大きな支障をきたします。見た目の印象や発音、健康状態にも悪影響を及ぼすことがあるため、適切な対処が求められます。
そのようなときの選択肢のひとつになるのが、総入れ歯です。現代の歯科医療では、さまざまな種類の総入れ歯が開発されており、見た目や噛み心地、装着感なども大きく向上しています。
今回は、総入れ歯とは何か、どのような種類があるのか解説します。入れ歯を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目 次
総入れ歯とは

総入れ歯とは、上下いずれか、もしくは両方の顎の歯がすべて失われた場合に装着する義歯のことを指します。部分入れ歯とは異なり、残存歯がないため、歯ぐき(粘膜)と顎の骨で入れ歯を支える構造になっています。
歯がない状態では、噛む力や発音、さらには顔の輪郭にも悪影響を及ぼすため、総入れ歯は機能回復と見た目の改善を目的として広く使用されています。
近年では保険診療の入れ歯から、見た目や快適さに優れた自費診療の高機能な入れ歯まで、さまざまな種類が登場しています。選択肢が増えたことで、患者さんの希望やライフスタイルに応じた治療が可能になっています。
総入れ歯の種類

総入れ歯には、大きく分けて保険診療と自費診療の2つの選択肢があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
保険診療の総入れ歯
保険診療の総入れ歯は、健康保険が適用されるため、低価格で作製することが可能です。使用される材料は主にレジン(プラスチック)であり、作製期間も短いのが特徴です。基本的な機能を満たしており、必要最低限の噛む力や発音補助は十分に期待できます。
ただし、耐久性やフィット感、見た目の自然さに関しては自費診療の総入れ歯に比べて劣る面があります。また、レジンはやや分厚くなる傾向があるため、装着時に違和感を覚える方も少なくありません。
保険内で対応できる治療には限界があることを理解したうえで選択する必要があります。
自費診療の総入れ歯
自費診療の総入れ歯は、保険適用外となるため費用は高くなりますが、素材や設計の自由度が高く、より快適で見た目も自然な仕上がりになります。ここでは代表的な自費診療の総入れ歯をいくつかご紹介します。
シリコン義歯
シリコン義歯は、歯ぐきに接する部分に柔らかいシリコン素材を使用した入れ歯です。クッション性が高く、装着時の痛みや違和感が軽減されるため、歯ぐきが敏感な方や骨が痩せている方にも選ばれています。また、吸着力も高く、安定した装着感が得られる点が特徴です。
ただし、素材の特性上、定期的なメンテナンスが必要になる点は理解しておきましょう。
金属床義歯
金属床義歯は、入れ歯の土台部分に金属を使用しているタイプです。コバルトクロムやチタンなどの軽くて丈夫な金属を使用することで、薄く作ることができます。熱の伝導性も高いため、食べ物の温度を感じやすく、食事がより自然に楽しめるのも魅力の一つです。
強度や快適さを重視する方に選ばれる傾向があります。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントオーバーデンチャーは、数本のインプラントを顎の骨に埋め込み、その上に総入れ歯を装着する方法です。
通常の総入れ歯よりもはるかに高い安定性があり、ずれたり外れたりする心配がほとんどありません。噛む力も大幅に向上し、食事や会話のストレスが軽減されます。高額にはなりますが、非常に高い満足度が得られる治療法です。
総入れ歯のメリット

総入れ歯を装着することで得られる代表的な利点について詳しく解説します。
自然な見た目が期待できる
近年の総入れ歯は審美性にも優れており、特に自費診療であれば天然歯と見分けがつかないほど自然な見た目に仕上げることが可能です。歯の色や形も細かく調整できるため、個人に合ったオーダーメイドの仕上がりが実現します。
顔全体のバランスも整い、若々しい印象を与えることができます。
噛む力が向上する
歯をすべて失うと、硬いものや繊維質の食材をうまく噛めず、食事が制限されがちになります。
総入れ歯を装着することで、噛む機能が回復し、以前と同じように多くの食材を楽しむことができるようになります。これにより、食事の満足度が高まり、栄養バランスの取れた食生活を維持しやすくなります。
発音しやすくなる
歯は発音にも大きく関わっており、特に前歯がないとサ行やタ行などの発音が不明瞭になります。
総入れ歯によって歯の位置が補われると、発音の明瞭さが戻り、会話がしやすくなります。社会生活において円滑なコミュニケーションを取るためにも、発音の改善は重要なポイントです。
治療期間が短い
総入れ歯は、短期間で治療を完了できる点も大きなメリットの一つです。特に保険診療の場合、診断から型取り、装着までの工程がシンプルであるため、数週間〜1か月程度で使用を開始できることが一般的です。
インプラントのように外科的な手術や長期間の治癒を必要とせず、身体への負担も少ないため、高齢の方や持病のある方にも選ばれています。時間的な制約がある方や、すぐに噛む機能を取り戻したい方にとって、治療期間の短さは大きな魅力といえるでしょう。
総入れ歯のデメリット

総入れ歯にはメリットだけでなく、注意すべきデメリットも存在します。主なものを以下に挙げます。
違和感が生じることがある
総入れ歯は口腔内に大きな異物を入れることになるため、慣れるまでに時間がかかることがあります。特に初めて装着する方は、話しにくさや食べにくさを感じることが多く、違和感に悩まされることもあります。
ただし、時間の経過とともに多くの方が順応し、問題なく使用できるようになります。
硬いものを噛むのが難しい
総入れ歯は、天然の歯に比べて噛む力が弱くなるため、特に硬い食品や粘り気のあるものを噛む際に不自由を感じることがあります。
装着初期は慣れも必要で、噛み合わせや食べ物の選び方に気をつけなければなりません。保険診療の義歯では安定性が限定されることもあり、強く噛む動作に不安を覚えるケースも少なくありません。
外れることがある
総入れ歯は、歯ぐきと粘膜の吸着力によって支えられているため、使用中にずれたり外れたりすることがあります。
特に食事中や会話中など、口を大きく動かす場面では、入れ歯の安定性に不安を感じる方も少なくありません。顎の骨や歯ぐきの状態が時間とともに変化することで、フィット感が低下することも要因の一つです。快適に使い続けるためには、定期的に調整してもらう必要があります。
顎の骨が痩せる可能性がある
歯が抜けた状態が続くと、顎の骨は徐々に痩せていきます。総入れ歯では噛む刺激が直接骨に伝わらないため、長期的には骨吸収が進みやすい傾向にあります。これにより入れ歯が合わなくなったり、顔貌の変化を引き起こしたりすることもあるでしょう。
定期的なメンテナンスが必要
総入れ歯は時間の経過とともに、歯ぐきの形や顎の骨の状態が変化し、最初に作製したときのフィット感が損なわれることがあります。また、使用中に細かな傷や摩耗、破損が生じる場合もあります。
そのため、快適な使用感を維持するには、数ヶ月ごとに歯科医院でのチェックや調整を受けることが重要です。放置すると、痛みや噛みにくさが出るだけでなく、口腔内全体の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
総入れ歯の費用

総入れ歯の費用は、保険診療と自費診療のどちらを選ぶかによって大きく異なります。保険診療の場合は、1万円から1万5,000円程度で作ることが可能ですが、使用できる素材や作製方法に制限があります。
一方、自費診療の総入れ歯では、10万円〜数十万円以上になることもあります。特にインプラントを併用したタイプでは、数十万円〜100万円を超えるケースもあります。
費用は高額ですが、見た目や機能性、耐久性を重視する場合は、自費診療を検討する価値があります。事前に歯科医院で詳しい説明を受け、ご自身に合ったものを選ぶことが大切です。
まとめ

総入れ歯は、すべての歯を失った方にとって、食事や会話、見た目の回復に大きく貢献する重要な選択肢です。
保険診療と自費診療の違いを正しく理解し、自分の口腔状態や生活スタイルに合った方法を選ぶことが、快適な日常生活につながります。また、総入れ歯は作って終わりではなく、定期的な調整やメンテナンスを続けることで、長く良い状態を保つことが可能です。
歯科医師とよく相談しながら、ご自身に合った入れ歯を選び、健やかな毎日を目指しましょう。
入れ歯を検討されている方は、神戸市中央区「新神戸駅」より徒歩3分にある医療法人アートセンター歯科 新神戸アート歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。
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